大会参加報告

第3回中国観光ツーリズムフォーラム

１．会議名：THIRD CHINA TOURSIM FORUM

２．日　時：2006年12月16日（土）　9:00～17:00 大会2日目のみ参加

３．場　所：香港理工大学　The Hong Kong Polytechnic University

４．概　要：香港理工大学School of Hotel & Tourism ManagementがUNWTOと共催するフォーラム。中国ツーリズムに関する課題を、研究者と実践者の間でオープンに対話する場所として、2004年から年1回開催している。講演、パネルディスカッション、セッション（研究発表）から構成される。参加費US$200（一般：別途アーリーバードあり）

５．所見

(ア)  発表者は学生、大学院生が多いように見受けられた。発表のレベルはいろいろである。

(イ)  指導教官名がスーパーバイズしているものがほとんどである。発表者はしばしば指導教官のことにもふれることもあり、発表内容がそのまま教官の指導力を現しているのではないかと思うくらいであった。

(ウ)  基調講演にて、観光を学んだ学生が観光産業に就職しないことが課題となっていた。観光産業に従事するには、熱意が必要との指摘。

(エ)  同様に、基調講演にて、観光の学校では、社会人教育を積極的に行うべきとの意見があった。中国でもそれはまだされていないということか。

(オ)  あるレポートによれば、最近の数値で、中国では観光関連の学校が1336箇所、生徒数は566,493人いるのだそうである。

６．感想

　研究のレベルはいろいろであったが、感心し、そして今後の脅威だと想定されるのは、先行研究のレビューがどれもしっかり行われていることである。しっかり、というのは、中国内だけではなく、観光研究先進国の研究をレビューしている、という意味である。香港理工大学にオーストラリアから先生がきていたり、あるいは学生がオーストラリアに留学していたり、海外との交流が深いようである。世界の観光研究に着実にキャッチアップしていることが伺えた。

　その点においては、すでに日本の観光研究は遅れをとっていることを認めざるを得ない。いまやおよそどんな研究・学会でも、日本独自の研究だけでよしとする組織はないだろう。ましてや学際的といわれる観光研究においてはなおさらである。